犯罪による不動産の減価
被害者が自宅で殺人事件などの犯罪にあった場合、生命を奪われたことによる損害だけでなく、不動産価値の減価という損害も生じます。
所有する居住用の建物などで殺人事件が発生した場合、いわるゆる心理的瑕疵が存在する物件として扱われ、その評価額が下がってしまうことがあるのです。
事件内容によっては、数十年前の事件であっても、不動産の評価額に影響を与えることもあります。
事件があったことを告知しないまま不動産を売却すると、売買の取り消しや損害賠償義務が発生することもあります。
殺人事件などによる不動産価値の減価は、被害者に生じた損害として、加害者に対して損害賠償請求をすることができます。
しかし、加害者に資力がない場合は、支払いをうけることができず、犯罪被害者給付金等の支給対象でもないため、どこからも損害金が支払われないこともあります。
殺人事件による減価率は、時価の70%以上になる場合もあり、遺族にとっては非常に大きな負担になると損害といえます。
つまり、本来、1億円で売却できたかもしれない不動産が、殺人事件が発生したことによって、3000万円程度に減価してしまうこともあるということです。