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見出しHEADLINE

交通事故 刑事裁判への被害者参加


 交通事故の被害者やご遺族は、加害者に対する刑事裁判に参加することができます。
 被害者が刑事裁判に参加するためには、検察官に申し出を行い、裁判所の許可をえる必要があります。
 刑事裁判への参加が認められると、被害者は、「被害者参加人」として以下のようなことができるようになります。
 
@ 裁判の日に出席し、当事者席(検察官の隣など)に座ること。

A 検察官に対して、意見を述べること。
B 被告人側の証人に尋問すること。
C 被告人に対して、質問すること。
D 犯罪事実や刑の重さなどについて、意見を述べること。

 なお、被害者参加人とならなくても、被害に関する心情等についての意見を陳述することはできます

 たとえば、交通事故の過失の内容について検察官の見解に納得がいかない場合、その理由が知りたい場合などに、検察官に被害者側の意見を伝え、再検討を求める、理由の説明を求めることなどができます。
 また、被告人が親族や会社の上司などを証人として呼び、有利な証言をしてもらうとしている場合に、その証人に尋問することができます。
 たとえば、被害者の心情に反するような証言や被害者しか知り得ない事実と反する証言が行われた時に、その場で被害者側が、問い正すことができます。
 ただし、通常は、検察官が反対尋問を行い、それでは不足している場合にのみ被害者側の尋問が行われます。その尋問も検察官や支援弁護士が代わって行う場合が多いです。尋問が同じ質問の繰り返しである場合などは、裁判所から止められてしまいます。
 被告人に対する質問も可能ですが、被告人は質問に答えないこともできます。質問したいことがある場合、事前にどのような質問をするか、支援弁護士や検察官と打ち合わせをすることが重要です。
 被害者参加手続きの中で、被害者やご遺族が参加してその心情を述べることはとても重要です。その場にいる被告人や裁判官に、被害者やご遺族でなければ感じることができない心情を直接伝えることができます。
 刑の重さ(量刑)に関する意見については、支援弁護士が行うこともできます。今まで担当した事件においても、犯罪事実や刑の重さについての意見は、弁護士が作成しています。この意見は、検察官の意見と異なる意見でも構いません。
 
 被害者として参加できる範囲は、犯罪被害者本人だけでなく、未成年者の場合は親権者、被害者本人が亡くなった場合や心身に重大な故障がある場合は、その配偶者、直系親族、兄弟姉妹です。
 複数のご遺族が参加して、それぞれの心情を述べることが可能な場合もあります。
 
 被害者参加の申し出は、起訴後であればいつでも可能ですが、刑事裁判の日程は、被害者側の意向を確認せずに決まってしまいます。早めに被害者参加の許可を受け、被害者参加弁護士が参加できる日程となるように調整する必要があります。
 特に、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪などは裁判員裁判となり、通常の刑事裁判と異なり、連日裁判が開かれることになりますので、できるだけ早い段階から、支援弁護士と調整をしていく必要があります。
  

被害者支援・法律相談

弁護士馬場伸城
弁護士 馬場伸城
第一東京弁護士会所属
犯罪被害者委員会委員

日本障害法学会正会員
日本建築学会正会員

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